2025年10月17日更新

【教育】-【学部講義】


科目名 対象 開講時間 場所 教員数
基礎無機・物理化学 医学部(医学) 前期・月・1 821(杉本・全学共通教育棟) 1
基礎無機・分析化学B 工学部(都市・建築),理学部(化学以外) 後期・水・1 635(森之宮) 1
基礎物理化学B 理学部(化学以外) 後期・金・1 635(森之宮) 1
分子科学基礎 市大・理学部
(化学科再履修生)
集中講義 遠隔授業 1


基礎無機・物理化学 医学部医学科 1年生 前期 月・1

●授業概要
 物理化学では,化学平衡論と反応速度論とそれらの種々の反応への適用を学ぶ.主な内容は,酸・塩基と中和滴定,錯体と錯滴定・EDTA滴定,化学平衡とエンタルピー・エントロピー・Gibbsエネルギー,電極電位と酸化還元滴定,反応速度論の基礎である.ただし,授業の進度や受講生の理解度に応じて内容を変更する可能性がある.

●到達目標
基礎無機・物理化学では,以下について理解することを目標とする.
(1)誤差と有効数字を考慮した基本的な計算ができる.
(2)SI単位系の基本単位と組立単位の関係を説明し,基本的な次元解析ができるようになる.
(3)熱力学の諸法則に基づき,化学物質の自発的な変化を予測できるようになる.
(4)中和反応,錯形成反応,酸化還元反応の滴定曲線を計算できるようになる.
(5)一次反応を定量的に取り扱えるようになる.

●授業内容
第1回SI単位,誤差,有効数字
第2回酸と塩基,pH,pKa
第3回緩衝液,酸塩基滴定
第4回滴定曲線,錯体と配位結合,配位数,配位子
第5回錯体の安定度定数,錯滴定,EDTA滴定
第6回熱力学第一法則,熱と仕事,内部エネルギー
第7回エンタルピー,熱容量
第8回エントロピー,熱力学第二法則
第9回統計力学的エントロピー,Gibbsエネルギー
第10回化学反応と熱力学的状態量
第11回化学ポテンシャル,酸化還元平衡
第12回電極電位,酸化還元滴定
第13回反応速度,反応次数,速度式
第14回反応速度の解析法1
第15回反応速度の解析法2,反応速度の温度依存性
第16回期末試験と解答解説

●評価方法
 到達目標の達成度について評価を行う.
 単位修得のための最低基準は以下の1と2である.
 1 大学設置基準で定められた時間を学習に費やしたことを証明できる.
 2 レポートで課した問題と類似した問題を,定期試験において資料を参照せずに独力で解き,60%以上の正答率(得点)で解答できる.
 基準を満たしていることを数値で示すために,全14回のレポートの合計点(120%)と定期試験の得点(100%)の積が60%以上であることを単位修得の最低基準として評価を行う.

●履修上の注意
 毎回レポート形式の練習問題を配布する.期末試験には主に練習問題の類似問題を出題するので,解けるようにしておくとよい.
 再履修生のためにオンデマンド動画を公開するので,再履修生以外も復習に利用するとよい.

●教科書
 教科書は使用しない.講義スライドの資料を毎回配付する.

●参考文献
 基礎物理化学:能動的学修へのアプローチ」新版,勝木明夫・伊藤冬樹・手老省三,三共出版 (2024).



基礎無機・分析化学B 工学部都市学科・建築学科,理学部化学科以外 1,2年生 後期 水・1

●授業概要
 この講義では,分析化学の基礎について学ぶ.分析化学は,物質の分離,精製,検出,同定,定量などの方法論を研究・開発する学問分野である.毎回の講義では,分析化学の基礎として,測定値の有効数字の取り扱いについて学ぶ.また,化学反応を理解する際の基本となる反応の熱力学側面について理解を深め,特に溶液中の酸塩基平衡,濃度平衡,錯形成平衡に関する熱力学的な取り扱いに習熟することを目指す.

●到達目標
・有効数字の取り扱いを習熟し,実験で得られる数値データの確からしさを判断できるようにする.
・溶液内で生じる様々な化学平衡について,その成り立ちを熱⼒学に基づいて統一的に理解する.
・特に酸塩基平衡,錯形成平衡について,定量的な取り扱い手法を理解する.

●授業内容
第1回SI単位,モル
第2回濃度,誤差,真度と精度
第3回標準偏差,有効数字,測定値の棄却,最小二乗法
第4回水の構造と性質,化学平衡,電解質効果,活量
第5回酸と塩基,pH,pKa
第6回緩衝液,酸塩基滴定
第7回滴定曲線,錯体と配位結合,配位数,配位子
第8回錯体の安定度定数,錯滴定,EDTA滴定
第9回反応のエンタルピー変化,反応のエントロピー変化,反応のギブズエネルギー変化,標準生成ギブズエネルギー
第10回化学ポテンシャル,酸化還元平衡
第11回電極電位,酸化還元滴定
第12回分離と濃縮,分離法,抽出
第13回イオン交換,クロマトグラフィー
第14回光を使う分析法,光の吸収と放出,分子のエネルギー状態
第15回吸光光度法,蛍光分析法
第16回定期試験

●評価方法
 到達目標の達成度について評価を行う.
 単位修得のための最低基準は以下の1と2である.
 1 大学設置基準で定められた時間を学習に費やしたことを証明できる.
 2 レポートで課した問題と類似した問題を,定期試験において資料を参照せずに独力で解き,60%以上の正答率(得点)で解答できる.
 基準を満たしていることを数値で示すために,全14回のレポートの合計点(120%)と定期試験の得点(100%)の積が60%以上であることを単位修得の最低基準として評価を行う.

●履修上の注意
 教科書の各回の内容に相当する範囲を一読してから受講すること.毎回レポート形式の練習問題を配布する.
 定期試験には授業で説明した問題やレポートの問題に似ている問題を出題するので,解けるようにしておくとよい.
 定期試験では関数電卓が必要な問題も出題するので,普段から使い方になれておくこと.

●教科書
 「分析化学 (化学はじめの一歩シリーズ5)」,角田欣一・渡辺 正,化学同人 (2014).

●参考文献
 「基礎 分析化学」新訂版,宗林由樹・向井 浩,サイエンス社 (2018).



基礎物理化学B 理学部化学科以外 1年生 後期 金・1

●授業概要
 この講義では,高校で物理を履修していない学生にも理解できるように,熱,仕事,温度,状態量,可逆過程と不可逆過程,エントロピーなど,熱力学における基本的な概念を解説しながら,論理的な思考力を養う.

●到達目標
 熱力学の概念を正しく理解し,定められた環境の中に置かれた系が自発的に変化して平衡状態に達する法則を扱えるようにする.熱力学第一法則と第二法則,自発変化の方向の取り扱いを修得し,熱力学データを定量的に扱えるようする.

●授業内容
第1回常微分,偏微分,全微分
第2回気体分子運動論
第3回理想気体の状態方程式
第4回実在気体,
第5回エネルギー,仕事と熱,系,状態量
第6回熱力学第一法則,理想気体の状態変化
第7回理想気体の状態変化(つづき),エンタルピー
第8回定容・定圧熱容量,分子の内部自由度と熱容量
第9回2種類のエントロピー
第10回系のエントロピー変化
第11回系のエントロピー変化(つづき),熱力学第二法則
第12回熱力学第三法則,化学反応とエントロピー
第13回系と外界のエントロピー変化
第14回Gibbsエネルギー
第15回Carotサイクル
第16回定期試験と解答解説

●評価方法
 到達目標の達成度について評価を行う.
 単位修得のための最低基準は以下の1と2である.
 1 大学設置基準で定められた時間を学習に費やしたことを証明できる.
 2 レポートで課した問題と類似した問題を,定期試験において資料を参照せずに独力で解き,60%以上の正答率(得点)で解答できる.
 基準を満たしていることを数値で示すために,全14回のレポートの合計点(120%)と定期試験の得点(100%)の積が60%以上であることを単位修得の最低基準として評価を行う.

●履修上の注意
 教科書の各回で指定された範囲を一読してから受講すること.毎回練習問題を配布するる.定期試験には主にレポート課題の類似問題を出題するので,解けるようにしておくとよい.

●教科書
 「基礎物理化学:能動的学修へのアプローチ」新版,勝木明夫・伊藤冬樹・手老省三,三共出版 (2024).

●参考文献
 「大学初年級でマスターしたい 物理と工学のベーシック数学」第2版,河辺哲次,裳華房 (2018).(化学でも必要となる数学がわかりやすくまとめられている.)



分子科学基礎 市大・理学部化学科 再履修生 集中講義

●科目の主題
 自然科学において数学は必須の道具である.ミクロな原子・分子から気体・液体・固体といったマクロな物質の創成,物性の理解や制御を目指す化学においても,これは例外ではない.しかし,専門科目で学ぶ事項を理解するためには,高等学校相当の数学に加えて新たな知識も必要となる.例えば,分子の形や対称性を記述するには,ベクトル,行列,三角関数に加えて逆三角関数を利用すると便利である.また,原子・分子や固体中の電子の振る舞いは,物質に応じた2階偏微分方程式を解いて得られる複素関数によって記述される.実験結果も種々の統計的手法を用いることで,より詳しい解析が可能となる.本講義では,化学全般で必要となる基礎的知識を幅広く学習する.

●授業の到達目標
 以下の項目に関する基礎知識を習得し,基礎およびやや発展的な問題が解けるようになることを目標とする.さらに,化学とその関連分野における応用例について学ぶ.
 波動,複素関数,ベクトル,微分・積分,一階常微分方程式,行列と行列式,ベクトル解析

●授業内容・授業計画
第1回 関数の展開,オイラーの公式,複素平面
第2回 種々の初等関数,波動,電磁波
第3回 ベクトル 基礎,内積,外積,三重積
第4回 常微分,偏微分
第5回 全微分,ベクトル関数の微分
第6回 一変数の積分,多重積分
第7回 行列,行列式
第8回 ヤコビアン,線積分,面積分
第9回 微分方程式,変数分離型,同次型
第10回 積分因子法,完全型
第11回 クラメルの公式,線形変換,固有値と固有ベクトル
第12回 固有値方程式,行列の対角化
第13回 ベクトル場とスカラー場,勾配,発散,回転
第14回 ラプラシアン,ガウスの定理,ストークスの定理
第15回 定期試験,試験解説

●事前・事後学習の内容
事前学習 講義内容を完全に理解するためには,予習が必要となる.
事後学習 毎回の講義にて学習した項目に関する演習問題を解くレポートを課す.

●評価方法
1. 評点
 レポート点 = 130%満点 (2参照)
 定期試験 = 100点満点 (3参照)
 評点の計算方法(1点未満は切り上げ)
  定期試験が92点以上の場合
   「定期試験のみ」か「レポート点×定期試験」のうち高い方
  定期試験が92点未満の場合
   「レポート点×定期試験」

2. レポート点
 全13回 毎回8–10問程度の問題を解いて提出
 全問考えて解答していれば(不正解でもよい) 3点/回
 間に合わなかった,未提出,未完,計算未記載など 0点/回
 全13回なので最高39点
 13回の合計点を30で割った値をレポート点とするので,レポート点は最高1.3=130%

3. 定期試験
 25問×4点/問 = 100点
 レポート課題の類似問題を出題

4. 評価の例
 レポート点 = 30/30 = 100%の場合
  定期試験92点 → 評点92点でS
  定期試験80点 → 評点80点でA
  定期試験72点 → 評点70点でB
  定期試験60点 → 評点60点でC
  定期試験56点 → 評点56点でF
 レポート点 = 39/30 = 130% の場合
  定期試験72点 → 評点94点でS
  定期試験48点 → 評点63点でC
  定期試験44点 → 評点57点でF(不可)
 レポート点 = 26/30 = 86.66%の場合
  定期試験92点 → 評点92点でA
  定期試験72点 → 評点63点でC
  定期試験68点 → 評点59点でF(不可)

●受講生へのコメント
 日本語の話者は日本語で思考するので,日本語を磨くことでよりよい考察やコミュニケーションが可能となる.グローバルな科学の世界では,同様に英語を磨く必要がある.そして,自然界との対話には数学が強力な道具となる.日本語,英語,数学いずれも,使いこなすには多大な努力が必要であるが,それに見合った見返りがきっとある.数学を特別なことと思わずに,言葉と同様「習うより慣れろ」で,化学の修得に活用してほしい.受講生からの質問・コメントはいつでも歓迎する.

●教材
テキスト1 「大学初年級でマスターしたい 物理と工学のベーシック数学」第2版,河辺哲次,裳華房 (2018).
テキスト2 「アトキンス 物理化学 (上)」 第10版,P. Atkins・J. de Paula著,中野元裕ら訳,東京化学同人 (2017).
参考書 「物理のための数学」新装版,和達三樹,岩波書店 (2017).
「物理数学」,松下 貢,裳華房 (1999).
「物理のための応用数学」,小野寺嘉孝,裳華房 (1988).